ミニの魅力を語るうえで欠かせないのが、
「二階建て」と表現される独特のエンジン構造です。
1959年当時、クルマの主流はまだまだFR(フロントエンジン・後輪駆動)。
エンジンを縦置きにし、後ろのタイヤを駆動するのが普通でした。
そんな時代に、ミニはまったく逆の発想で世界を驚かせます。
革新的だった“二階建て構造”
ミニのエンジンは横置き。
しかも、その下にトランスミッション(ミッション)が一体で組み込まれており、
上下に積み重なったような構造――これがまさに“二階建てエンジン!
この設計により、
- 車体の前方スペースを最大限に有効活用
- 小型なのに4人がしっかり乗れるキャビンを確保
- 重量物を前方にコンパクトにまとめることで安定した走り
こうしたミニの走りの楽しさは、まさにこの発想から生まれたと言えます。
この二階建てエンジンは、
“天才設計者”アレック・イシゴニスが生み出した答え。
当時としてはありえないほど斬新で、
その後のFF(フロントエンジン・前輪駆動)車の基礎となる技術となりました。
いま私たちが何気なく乗っているクルマたちの多くがFF。
実はそのルーツは、60年以上前のローバーミニなんです。
ミニの軽快なハンドリング、独特のフィーリング、
小さな車体からは想像できない安定感!!
そのすべてが、この二階建てエンジンから生まれています。
小さなボディに、ぎゅっと詰め込まれたアイデアの塊。
ミニは、ただの旧車ではなく、
自動車の歴史を変えた“発明”そのものなのです。
