タイトル
『Miniとの20年、ひとつの絵本のような記憶』
「これ以上のものはない,そう思ったんです。」笑顔でそう語ってくれたのは、Miniとすでに20年の付きあいを経てきた今週の主役は
中島さんです。
決して記憶力がいい方というわけじゃないとご本人はおっしゃるけれど、Miniの話となると武弾のように語ってくれました。
それだけ深く、近く、Miniとの手をつないできた道のりなのでしょう。
#結婚と同時のMiniとの始まり
「20年前ですね。嫁さんと結婚したころ。最初のMiniは96年式の超かわいい子。」
新婚生活のスタートとともにやってきた赤いMini。街中で見かけるその姿に、ずっと以前から憧れを抱いていたという中島さん。結婚という大きな人生の節目と同時に、その夢を叶えました。
当時購入した初代Miniは、奥さまとともに6〜7年間乗り続けたそうです。その後、現行の2代目Miniへと乗り換えましたが、「一度もMiniから離れたことはない」と断言されていたのが印象的でした。
「車を持つということは、ただの移動手段を得ることじゃない。思い出や時間を一緒に刻んでいける存在を迎えるってことなんですよね」
愛車というより、“家族”のような言葉がぴったりでした。
#長野で生きるMiniのために
「長野の道はそれはもう辛いですよ。雪も多いし、塩カルもあるし。」
美しい自然に囲まれた長野ですが、クルマにとっては決して優しい環境ではありません。
Miniのように繊細なクルマには、特に過酷な季節。けれど中島さんは、困難があると分かっていましたがMiniと共に生きる選択をしました。
「雨の夜、ライトつけるとワイパーとウインカーが動かなくなるっていう謎の現象があって(笑)。最悪でしたね、ほんと」
思わず笑ってしまうようなトラブルも、
今となってはかけがえのないエピソード。
整備を重ね、手をかけてきた分だけMiniとの絆はより深まり、いっそう愛しさを感じさせるのです。
「見てるだけでも楽しい。クルマだけど、クルマじゃない」
Miniは中島さんにとって、風景の中でただ走るだけの存在ではなく、生活そのものに彩りを与えてくれる“友達”のような存在なのかもしれません。
#「育てる」ことが楽しい
「キングスロードでオーバーホールして、まるで別のクルマみたいになりました」
エンジンを開け、ボディをメンテし、細かなパーツまで目を配る。そのひとつひとつの手間が、確実にMiniに返ってくると中島さんは言います。
「アクセルの踏み心地が変わるだけじゃない。オイル交換ひとつで、まるで違うクルマに乗ってるみたいに変わるんですよ」
Miniは、手をかけた分だけ“育つ”車──そんな表現がこれほど似合う車も珍しいかもしれません。
「全部自分でやらないと気が済まない性分なんで。あれこれ調べて、いじって、乗って、また気づいて。ずっと飽きないんですよ」
たとえば街で見知らぬMini乗りとすれ違い、手を振られることもあるそうです。Miniに乗っている、ただそれだけで、どこか通じ合えるものがある。だからこそ、長く付き合うことに意味がある──そんな想いが自然と伝わってきました。
#本気で、本気でMiniを愛す
「なんとなく、その辺を気にしてあげる。それだけでMiniは未来まで持ちますよ」
Miniは正直な車。運転する人の性格がにじみ出る車だと教えてくれました。
「性格が出る、っていうか、もう完全に写し鏡。運転してもらったらすぐにわかります。Miniはほんとに真っ白だから」
Miniをよく理解し、よく観察し、ちょっとした変化を見逃さない。そんな“いい意味での気遣い”ができる人ほど、Miniとの時間を長く深く楽しめるのかもしれません。
「細かいところを気にしてあげる。でも、気にしすぎない。言葉にするのは簡単だけど、その塩梅をつかむのが難しい。でもMiniは、それにちゃんと応えてくれるんです」
ただの車ではない。Miniは、オーナーの生き方や考え方までも映し出す、まるでパートナーのような存在。
これからもずっと──Miniとともに、新しいページを紡いでいってほしいと心から思いました。
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#車輌情報
* モデル名:ローバーミニ メイフェア1.3i (2代目)
* 年式:1996年式 (1代目)
* 購入時期:20年前に初代Mini購入
* 現在の使用状況:長野県より通いながら正規メンテナンス経験
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中島さん、取材へのご協力、本当にありがとうございました。
Miniは、ただの車ではありません。人生の相棒、夢をかたちにしてくれる存在。
これからもずっと、Miniとの時間を大切にしてくださいね。――SUNDAY TIMESも、心から応援しています!